
【研究発表2】
「学校完全週五日制に向けての部活動(運動部)の在り方について」
一生徒の健全育成と学校・家庭・地域社会の連携について一
信田博之先生
現在本研究は、中央審議会は週五日制を21世紀の初頭を目途に、その実施を目指すべきであると答申されております。このような社会の動きの中で生涯教育が叫ばれています。その一つとして、我々の携わるものとしては、やはりスポーツではないかという観点から考えました。
これからの社会の中で生涯教育の中で生涯スポーツがより重要視されていくのではないか、そこで学校週五日制と部活動の在り方とその中での生徒の健全育成と生涯スポーツがどのような関係があり、どのような道筋をたどっていくべきかを考察していきたいと思います。
1 北海道の地域性と調査方法
ご存知のように北海道は非常に広大な所でありまして、中体連をみましても大きな組織です。同じ北海道内でも他の地域との連携と関連性が非常にうすい部分もあり、統一制に欠ける。そういう面を考えていきますと、今回のアンケートを取った場合においても、私は函館という所に住んでいて勤務しているのですが、その函館だけの意見だけではなくて、全北海道の意見を知りたいということで、今回のようなアンケートを取らせて頂きました。大都市部札幌、中都市部函館、旭川、地方小都市町村部に40項目のアンケートをお願い致しました。その中から部活動を担当している先生方から334のご意見を頂くことができました。それを今回集約したので報告したいと思います。
2 学校五日制と運動部活動の活動状況について
(1) 第2・第4土曜日における部活動について
第2・第4土曜日に部活動の活動を行っていますか、という問いですが、他府県行政の方から非常に制約があると思うのですが、北海道の場合も同様にあるのですが、最近少しゆるくなってきておりまして、6割ぐらいが土曜日に行っています。この背景には土曜日を日曜日と同じような休日としてとらえる感覚と、もう一つは地域の特性としまして、まだ地方ですから普通の会社も週休2日制が行き届いていない。土曜日でも親達が出かけていない。共稼ぎも当然あります。そのような地域、農村部、漁村部などは土曜日も日曜日もありません。
そういうことを考えていきますと、地域の背景としましても5日制が定着する地域制が育っていないと考えるのが現状ではないでしょうか。あるいは、地域の保護者の期待が非常に部活動に対しても大きい面があるかもしれません。そのようなことが背景として考えられます。
(2) 部活動の指導者が考える生徒の休日の過ごし方の優先順位
指導者の方でも、まず各家庭を第一に考えるというのが約5割。個人個人で過ごした方が良いのではという考えが約3割ということで、各家庭で個人か部活動よりも優先されるべきという基本的な考え方がほぼ浸透しているように思われます。部活動の運営に対して、我々も今後この点を十分に配慮、認識する必要があると思います。子ども達の中でも再認識していく必要があるのではないでしょうか。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|